渋谷駅変貌中
ちょと中国語っぽい文字並びになってしまった。
渋谷駅周辺で迷うことなんてなかったのに。
地下から地上に出る少し前から、自分がどこに向かってどこにいるのか、わからなくなってしまった。
再開発が終わって整うまで、久しぶりな人は駅迷路で迷うのだ。
山海塾が脚光を浴びている頃、ハチ公そばで全身白塗りでパントマイムを演じる若者がいた。
見物の輪が舞台、その輪にズカズカ踏み入って、お金が入っている缶を持って行こうとしたその筋らしき人に、座っていたサラリーマンが持って行くなと叫んだのだ。
一人の正義感、続けてたくさんの声が和した。
よく見るとパフォーマーの左目の周りは、白塗りの下に青タンが透けて見えていた。
暴力にさらされても演技をしていた名前も知らない彼と渋谷を、ハチ公と交番の間で輪を作っていた知らない同士の私たちは、共有したのだった。
不思議の渋谷がある辺り
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